【大葉カラフトミセバヤ 解説】 学名の通りカラフトミセバヤの中のカラフトミセバヤであることです。
弊園では大葉カラフトミセバヤとして販売しております。
それは従来カラフトミセバヤ=エゾミセバヤとして解説されているネット上の誤りをなんとか脱したいという思いに他ありません。
実は当初この大葉カラフトミセバヤ、本来の植物名ではなく色々な名前で流通しておりました。
そして観察してみますとこれこそがカラフトミセバヤの本性品であったのです。
カラフトミセバヤとして入手したものはいずれもカラフトミセバヤで無かったことはいかに流通が混迷していたかと思われます。
おそらくは山採り品のミセバヤとして未選別の時代、まだまだどれがヒダカミセバヤ、カラフトミセバヤ、アポイミセバヤと全く区別できない時代に流通があって、各々「多分そうであろう」という名前で生産業者つまり農家へ入り、それらが増殖され、カタログ販売、ネット販売、或は花き園芸市場ヘ大量に出荷されるという流通が今日の姿かと思われます。
それらの中より本来のカラフトミセバヤと思われる個体を選別の上販売に至りました。
当初まったく別物の名前で入手しましたユーパリミセバヤと思われるトレーケースの中(業者間の取り引きですので)に違品種が混入しておりました。
後に本性品のカラフトミセバヤであることがわかり、現在販売に至っております。
その間全量ユーパリミセバヤとして販売しておりましたので誤りがあってはいけませんので事情を考え、返金させていただきました。
実はユーパリミセバヤとカラフトミセバヤは一見して開花期には見分けがつかないのでした。
それは野坂志朗先生の文献にあるように連続変化があったのです。
それではカラフトミセバヤとユーパリミセバヤの相違点はといいますと、本来は花に違いがあるのですが、弊園の観察した結果、冬の落葉期の冬至芽つまり越冬芽(ロゼット)に違いが見られました。
おそらくは野坂志朗先生も現地の調査では一年中花が咲いているわけで無く、何か相違点を見つけておられたかと思います。
本性品のカラフトミセバヤの冬至芽はユーパリミセバヤに比較して芽数が少ないのです。
花つきは条件によって異なるかと思いますがカラフトミセバヤはユーパリミセバヤと同様、咲きやすい株と咲きにくい株があるように思われます。
今後観察して見たいと思います。
いずれにしましてもカラフトミセバヤ本性品は葉が丸く細葉であるエゾミセバヤと区別できるのですが、育てておりましてまったくの別種であるように思われます。
現在カラフトミセバヤ=エゾミセバヤと解説させているサイトが多く見られ、混乱に混乱を招いております。
将来DNA鑑定が為され、科学的に分類される日もそう遠くはないように思われます。
その日がくることを楽しみにして終わりたいと思います。
2016年9月5日 カラフトミセバヤの解説は品種等の紹介「多肉植物の種類について(カラフトミセバヤ)」に別途解説しております。
【育て方】 植え替えは冬期休眠中、或は3月の早い時期が最適かと思います。
つまり芽が動き出す前と考えてはいかがでしょうか。
自生地では日光のよく当たるところに生育しているようですが、平地で育てる場合は、気温の上昇する6月下旬〜9月頃まで遮光し半日陰にする、或は、半日陰のところへ移動して育てるのがよいかと思います。
そして年間を通じて戸外の自然の雨に当たるところで育てることが最適かと思います。
元来本邦産の野生植物で丈夫な種類ですので、多湿以外注意する点は無いかと思います。
その多湿なのですが、ピートモスの混入された培養土で植える、或は、気温の高い季節に午前中や日中に水やりをすると、ムレやすく根腐れの原因となります。
夕方に水やりをするのがよいかと思います。
そして排水の良い、空気の流通する、有機物の入っていない荒い土で植えつけて下さい。
【培養土】 日本産のムラサキベンケイ属であるミセバヤは、本邦産であるだけに、山野草的取り扱いでよく育つかと思います。
多肉植物であり、排水の良い岩場に自生が見られるところから、荒い土が最適かと思われます。
弊園オリジナル「多肉植物の土」2号弊園でも使用しており向いているかと思います。
【肥料】 冬期、或は春に植替えする植物です。
そして初秋に咲く植物でもあります。
弊園販売の山野草用化成肥料、多肉植物用化成肥料が向いているかと思います。
何しろ、春1回施肥すれば秋まで肥効があるすぐれものです 【繁殖】 挿し木 株分 種を播く